大学生の時、ラジオのサークルにちょっとの間だけ入っていたことがある。
そのサークルは、ラジオフリークではない私のことも温かく受け入れてくれて、
心地の良いコミュニティだった。
ある日、先輩から「好きなラジオ番組は?」と聞かれた。
私は「TBSラジオの『ジェーン・スー生活は踊る』です」と回答した。
浮いた。
周りはお笑い芸人がパーソナリティを務める番組を回答していた。
なるほど、間違えたと思った。
Q.周りのラジオフリークたちは『生活は踊る』を知らなかったのか。
A.違う(と思う)。『生活は踊る』は天下のTBSラジオの昼帯番組(月曜日から木曜日、11時〜14時まで、魂の3時間生放送をしている)で、今年10年目の人気番組だ。
Q.この件は私がコミュニティの気質を読み誤ったのが悪く、私はそのサークルではなく、『生活は踊る』好きが集まる別のラジオサークルに入ればよかったのか。
違う(と思う)。誰も悪くない。ただ「生活は踊る」好きが集まる大学のサークルなんてものは、どこを探してもない。
これは私の人生でよく起こることだった。
なんか、どこにいてもハマったことがあまりない。
自分の好きなものについて真剣に話せる人が周りにいなかった。
私の好きなものは、いつも周りからちょっとずれていて、
そして、取るに足らないものなのだと思っていた。
皆んなが夢中になっている、イケてるものにハマれない自分が恥ずかしかった。
(「好きなものに失礼だし、ネガティブすぎるだろ」とツッコミを入れる心の声は小さかった)
(そして自身の「ハマらなさ」を、社会からの自分への評価と思ってしまう節が私にはある)
しかし転機は突然訪れる。数年前、「Y2K新書」というPodcastに出会った。
竹中夏海、柚木麻子、ゆっきゅんがパーソナリティを務めるこの番組、
3人が話していることは基本的に私が知らないことばかりで、
それは多くの人も知らない、というか
別に記憶から抜けても良いものだと思われていることのようだった。
3人はそんなことは五億光年前に乗り越えているようで、ただ話し続けていた。
感銘を受けた。
イケてるとか、文脈とか、社会的に大事とか、意味があるとかは一旦置いといて、
私が好きで、それについて話したいと思うからそれで良いのだ、という
その“図々しさ“、“ふてぶてしさ“自体に救われた。
「私が私のために考え、話し、そして書く」
すごくカッコ良いことだと思う。
自分の殻に閉じこもるためではなく、
これで十分なのだと自分に伝えるために。
私のために、私が書く。そういうページにしたい。
2026年4月末 ケイ